インフルエンザ

【インフルエンザ】解熱剤はなんでもいいの?|薬剤師がやさしく回答と選び方ガイド






【インフルエンザ】解熱剤はなんでもいいの?|薬剤師がやさしく回答と選び方ガイド



インフルエンザの時、解熱剤はなんでもいいの?

薬剤師がやさしく解説|成分別の選び方・子どもや妊娠中の注意・受診の目安

※このページは一般向けの情報提供です。気になる症状があれば医療機関へ。

結論:インフルエンザの解熱には、アセトアミノフェン(パラセタモール)がまずおすすめ。
NSAIDs(イブプロフェン・ロキソプロフェン等)は大人では使える場合がありますが、脱水・胃腸障害・腎機能・妊娠後期など注意が多め。
アスピリン(サリチル酸)/サリチルアミド小児・10代では避けるのが原則です(ライ症候群の予防)。

まずは会話でサクッと理解

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患者さん:インフルエンザって診断されました。解熱剤はなんでも効きますか?

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薬剤師:まずはアセトアミノフェンが安全性の面から第一選択です。年齢や持病を問わず使いやすく、妊娠・授乳中でも医師の指示のもと比較的使いやすいです。

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患者さん:イブプロフェンやロキソプロフェンはダメですか?

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薬剤師:大人で胃腸・腎臓に問題がなく、しっかり水分がとれているなら使える場面もあります。ただし脱水時・胃潰瘍歴・腎機能低下・心不全・高齢・妊娠後期は避けましょう。6か月未満の乳児はイブプロフェン不可です。

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患者さん:子どもには何を飲ませれば?

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薬剤師:アセトアミノフェン一択で考えましょう。アスピリンやサリチル酸系はインフル・水ぼうそうの時は10代まで避けるのが原則です。

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患者さん:タミフルやゾフルーザと一緒でも大丈夫?

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薬剤師:一般的に併用OKです。むしろ総合感冒薬(いろいろ混ざった風邪薬)は重複成分が出やすいので、解熱鎮痛成分だけの薬を選ぶのがおすすめです。

一目でわかる:成分別の「OK・注意・NG」

まずはこれ アセトアミノフェン

  • 年齢・状況を問わず使いやすい第一選択。
  • 小児・妊娠中・授乳中でも医師の指示で使われます。
  • 肝機能障害・多量飲酒時は用量に注意。

条件付き イブプロフェン/ロキソプロフェン(NSAIDs)

  • 大人で胃腸・腎機能に問題がなく脱水がない時に。
  • 避ける:脱水・胃潰瘍歴・腎障害・心不全・高齢・妊娠後期。
  • 小児:イブプロフェンは6か月以上から。ロキソプロフェンは小児へ基本的に用いません。

避ける アスピリン/サリチル酸系

  • インフル・水ぼうそう時の小児・10代はNG(ライ症候群予防)。
  • 大人でも胃腸障害・出血傾向が問題になりやすい。

成分 使ってよい人 注意が必要な人 ひとこと
アセトアミノフェン 小児〜高齢者、妊娠・授乳中(医師の指示で) 肝機能障害・多量飲酒者は最大量を抑える まずはこれ。胃にやさしく脱水でも使いやすい
イブプロフェン 大人/小児(6か月以上)で脱水がない 胃潰瘍歴・腎機能低下・心不全・妊娠後期・喘息の一部 食後に。水分がとれない時は避ける
ロキソプロフェン 大人(医療用)/OTCは大人向け 胃腸・腎機能・妊娠後期・高齢・脱水時 早く効きやすいが注意点は多め
アスピリン/サリチル酸系 小児・10代はNG/大人も胃腸・出血傾向に注意 インフル時は基本的に選ばない
ポイント:「総合感冒薬」ではなく、単一成分の解熱鎮痛薬を選ぶと重複や飲み合わせの心配が減ります。

年齢別の用量めやす(目安量・自己判断での最大量に注意)

成分 小児 大人(OTCの一般的な目安)
アセトアミノフェン 10〜15 mg/kg/回を4〜6時間ごと(1日最大 60 mg/kgまで) 300〜500 mg/回を4〜6時間ごと(1日最大 3,000 mgまで)
イブプロフェン 5〜10 mg/kg/回を6〜8時間ごと(1日最大 40 mg/kg)※6か月未満不可 200〜400 mg/回を6〜8時間ごと(1日最大 1,200 mg
ロキソプロフェン —(小児は基本用いない) 60 mg/回を1日2〜3回(1日最大 180 mg、できれば食後)
注意:3か月未満の乳児の発熱、けいれん既往、ぐったりする、繰り返し吐く、強い頭痛・呼吸苦などは自己判断で解熱剤を使う前に受診を。

インフル時の上手な使い方(短く要点)

  • 「つらいとき」に使う:平熱まで下げ切る必要はありません。楽になることが目的。
  • 水分・電解質をしっかり:脱水時のNSAIDsはリスク↑。経口補水を少量ずつ。
  • 重複チェック:総合感冒薬・頭痛薬と成分がかぶっていないか確認。
  • 最長2〜3日を目安に。長引く高熱や症状悪化は受診。
  • 妊娠中:基本はアセトアミノフェン。妊娠後期のNSAIDsは避ける
  • 授乳中:アセトアミノフェン/イブプロフェンは一般に併用可とされますが、心配なら医師に相談。
  • 持病(胃潰瘍・腎機能低下・心不全・肝障害・喘息など)があれば自己判断でNSAIDsは使わない。
抗インフル薬(オセルタミビル、ザナミビル、ペラミビル、バロキサビル等)とアセトアミノフェン/イブプロフェンの併用は一般に可能です。

受診の目安

  • 息苦しい、胸が痛い、強い咳が続く
  • 高熱(おおむね38.5〜39℃以上)が3日以上続く、または急に悪化
  • 水分がとれない/尿が極端に少ない(脱水サイン)
  • けいれん、意識がおかしい、ぐったりして反応が弱い
  • 強い頭痛・嘔吐が続く、発疹が出た
  • 乳幼児・高齢者・妊娠中・基礎疾患(心臓・肺・腎・肝・糖尿病など)がある

よくある質問(FAQ)

Q. 交互に使っていい?(アセトアミノフェンとイブプロフェンなど)

A. 基本は1種類で管理が安全です。どうしても必要で医師・薬剤師の指示がある場合のみ、間隔と記録を厳守して交互に。重複投与や過量に注意してください。

Q. お酒と一緒に飲んでも大丈夫?

A. 発熱時の飲酒はおすすめしません。特にアセトアミノフェンは多量飲酒と相性が悪いため避けてください。NSAIDsも胃腸障害のリスクが上がります。

Q. 市販の総合感冒薬と一緒に飲んでいい?

A. 総合感冒薬には解熱鎮痛成分がすでに入っていることが多いです。単一成分の解熱薬を選ぶか、重複しないよう必ず成分を確認しましょう。

Q. いつまで飲み続けていい?

A. 目安は2〜3日。高熱が続く、悪化する、他の症状が強い場合は早めに受診を。

Q. 授乳中だけど、どれを選べばいい?

A. 一般にはアセトアミノフェンが選ばれやすく、イブプロフェンも使用されることがあります。赤ちゃんの月齢・あなたの体調で判断が変わるため、かかりつけに相談を。

Q. 子どもが嫌がって飲めません…坐薬はあり?

A. 坐薬のアセトアミノフェンは選択肢になります。体重に合わせた容量を確認し、使用間隔を守ってください。

Q. 「ロキソプロフェン=必ずダメ」ではないの?

A. 大人で条件が整えば使える場面もあります。ただしインフル時は脱水・胃腸・腎臓の負担が問題になりやすいので、まずはアセトアミノフェン優先が安心です。

Q. タミフル(オセルタミビル)やゾフルーザ(バロキサビル)との飲み合わせは?

A. 一般的に併用可能です。どちらを飲んでいても解熱鎮痛薬の選択は基本と同じで、単一成分で重複なしを意識しましょう。

ワンポイント:解熱剤は「熱を治す薬」ではなく「つらさを和らげる薬」です。しっかり休養・水分・室温調整を。

監修:薬剤師/一般向け情報。個別の用量は医師・薬剤師の指示を優先してください。

最終更新:2025-11-11


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