アジレクト(ラサギリン)|はじめての方向けやさしい会話ガイド
アジレクトはMAO-B阻害薬。脳内のドパミンが壊れにくくなるように働き、症状のゆらぎを抑えるのに役立ちます(単剤でも、レボドパの併用でも使われます)。
👩⚕️薬剤師 × 👦患者さん の会話(症例っぽく)
「朝のこわばりが強くて…先生からアジレクトを出されました。どう効くんですか?」
「アジレクトはドパミンを“増やす”のではなく、分解する酵素(MAO-B)を抑えて“長持ちさせる”薬です。日中の動きのにくさやオンオフの波が少し穏やかになる方がいます。」
「飲み方は?」
「1日1回(通常1mg)です。食前食後はこだわりませんが、(空腹時だと吸収がやや高くなるデータあり)毎日同じ時間帯に続けるのがコツ。飲み忘れに気づいたらその日中に1回だけ。翌日に2回分はNGです。」
「副作用は?」
「めまい・立ちくらみ(起立性低血圧)・頭痛・眠気など。レボドパと一緒だと不随意運動が強まることも。初めはゆっくり立ち上がり、運転は症状が落ち着くまで注意しましょう。」
「食べ物や飲み合わせは?」
「通常量(1mg/日)ではチラミン(熟成チーズ・赤ワイン等)の厳格制限は不要とされています。ただし“食べすぎ”は避けましょう。抗うつ薬(SSRI/SNRI/三環系)・デキストロメトルファン・メペリジン・トラマドール・リネゾリドなどは併用注意/禁忌があるため、必ず服用中の薬を教えてください。」
重要:ほかのMAO阻害薬との併用は不可。中等度以上の肝機能障害では使用を避けます。軽度肝障害では0.5mgが選択されることがあります。
💊 基本情報(サクっと要点)
- 成分名: ラサギリン(ラサギリンメシル酸塩)
- 薬効: パーキンソン病治療薬/選択的MAO-B阻害薬
- 用法・用量: 通常 1mgを1日1回。軽度肝機能障害では0.5mgを考慮。
- 主な副作用: 立ちくらみ、頭痛、眠気、悪心、便秘、関節痛、レボドパ併用時の異常運動など
- 注意が必要な併用薬: SSRI/SNRI/三環系、メペリジン、トラマドール、デキストロメトルファン、リネゾリド ほか
💰 薬価と自己負担のめやす(2025年時点)
| 規格 | 薬価(1錠) | 1日量の薬価 | 3割負担の1か月目安(30日換算) |
|---|---|---|---|
| アジレクト錠 1mg | 945円 | 945円/日 | 約8,510円(=945×0.3×30) |
| アジレクト錠 0.5mg | 509.6円 | 509.6円/日 | 約4,590円(=509.6×0.3×30) |
※上記は薬剤費のみ。実際の支払額は調剤料・診察料などで前後します。
🤰 妊娠・授乳中の注意点
- 妊娠:有効性・安全性の十分なデータが限られます。原則は慎重投与/回避。妊娠希望・妊娠判明時は速やかに主治医へ。
- 授乳:母乳移行の情報が限られるため授乳は避ける/中止を検討。やむを得ず使用する場合は医師の指示に従い、乳児の様子(眠気・機嫌・飲み)を観察。
妊娠・授乳に関わる判断は、主治医と薬剤師に必ず相談してください。
❓ よくある質問(Q&A)
- Q. 飲み忘れました。どうする?
- A. その日中に気づいたら1回のみ服用。翌日に2回分は飲まないでください。
- Q. どれくらいで効き目を実感しますか?
- A. 早い方で数日〜数週。レボドパ併用の“切れ”が緩和するなど、日中の動きやすさで体感する方が多いです。
- Q. チーズや赤ワインは本当にダメ?
- A. 通常量(1mg/日)では厳格制限は不要とされていますが、大量摂取は避けるのが安心です。
- Q. ほかの薬との飲み合わせが心配…
- A. 風邪薬のデキストロメトルファンを含む製品や、抗うつ薬の一部、メペリジン/トラマドール/リネゾリドなどは注意または併用不可があります。購入前・受診前に必ずご相談を。
- Q. やめるときは?
- A. 自己中止はせず、医師の指示で。症状のぶり返しを避けるため、全体の治療計画の中で調整します。