アストミンQ&A|よくある疑問を薬剤師が解説
など、薬局でよく聞かれる質問を、薬剤師と患者さんの会話形式でやさしくまとめました。
※ここでは「アストミン錠・散・シロップ(成分:ジメモルファンリン酸塩)」について解説します。
アストミンってどんな薬?
アストミンって、そもそもどんなお薬なんですか?市販の咳止めと何が違うんでしょう?
アストミンは、ジメモルファンリン酸塩という成分の咳止めです。
脳の中の「咳中枢」というスイッチに働きかけて、咳そのものを落ち着かせるタイプの鎮咳薬(中枢性鎮咳薬)ですね。 [oai_citation:0‡KEGG](https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00052665&utm_source=chatgpt.com)
形は、錠剤・散剤(粉)・シロップなどがあり、特にシロップは小児向けにもよく使われる処方薬です。 [oai_citation:1‡PMDA情報](https://www.info.pmda.go.jp/psearch/PackinsSearch?count=10&dragname=&effect=22&item1=allsearch&start=1&utm_source=chatgpt.com)
市販薬じゃなくて、病院でもらうお薬なんですね?
そうです。処方せんが必要な咳止めです。
咳の原因や症状の強さを医師が判断して、「このタイプの咳にはアストミンが合いそうだな」と考えて処方しています。
- 成分:ジメモルファンリン酸塩(中枢性非麻薬性鎮咳薬) [oai_citation:2‡KEGG](https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00052665&utm_source=chatgpt.com)
- 作用:脳の咳のスイッチを抑えて、咳を落ち着かせる
- 剤形:錠剤・散剤・シロップなど(特に小児はシロップが多い) [oai_citation:3‡PMDA情報](https://www.info.pmda.go.jp/psearch/PackinsSearch?count=10&dragname=&effect=22&item1=allsearch&start=1&utm_source=chatgpt.com)
- 区分:病院・クリニックで処方されるお薬(処方箋医薬品以外の医薬品)
どんな咳におすすめ?効き方のイメージ
どんな咳のときにアストミンが出されることが多いんですか?
主に、風邪や気管支炎・肺炎などに伴う「つらい咳」を和らげる目的で使われます。
特に、夜眠れないほどの咳や、咳き込みがつらいときに処方されることが多いですね。 [oai_citation:4‡KEGG](https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00052665&utm_source=chatgpt.com)
| アストミンが使われやすい咳のイメージ | ポイント |
|---|---|
| 風邪・上気道炎(のど風邪など)に伴う咳 | のどがイガイガして、コンコンと続く咳を和らげる目的 |
| 急性気管支炎・肺炎などの咳 | 咳き込みが強く、眠れない・体力を消耗しているときに |
| 子どものかぜの咳 | シロップで少量から調整しやすく、よく使われる(2歳以上が基本) [oai_citation:5‡KEGG](https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00052665&utm_source=chatgpt.com) |
飲み方・飲むタイミング・期間のめやす
アストミンは、いつ・どのくらい飲めばいいんでしょうか?
通常は、1日3回(朝・昼・寝る前など)に分けて飲むパターンが多いです。
子どもは年齢・体重に合わせて量を細かく調整しますので、必ず処方箋どおりの量を守りましょう。 [oai_citation:6‡KEGG](https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00052665&utm_source=chatgpt.com)
咳がつらいのが夜なんですけど、夜だけ飲んでもいいんですか?
処方の指示が「頓服(とんぷく:つらい時だけ)」で出ている場合は、つらい時間帯だけ飲むこともあります。
一方で「1日3回きちんと飲んでください」と書いてあるときは、決められた回数を守ることが大切です。
どのくらいの期間、飲み続けるんですか?
風邪の咳であれば、数日〜1週間程度で処方されることが多いです。
それ以上長く咳が続く場合は、別の病気が隠れていないかを含めて再度受診していただくことが大切ですね。
- 医師・薬剤師から指示された回数・量を優先する
- 飲み忘れたら、気づいた時に1回分を飲み、次を2回分まとめて飲まない
- シロップはよく振ってから量り、添付のカップやスポイトを使う
- 長く飲んでいるのに咳がよくならない・悪化する場合は再受診を
副作用・眠気・運転の注意
眠くなったりしませんか?仕事で車を運転することもあるので心配で…。
アストミンは、人によっては「眠気・めまい」などが出ることがあります。 [oai_citation:7‡KEGG](https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00052665&utm_source=chatgpt.com)
なので、飲み始めは特に、車の運転や高所での作業は控えた方が安全です。
ほかにも、まれに
- 頭痛・だるさ
- 吐き気・お腹の調子の悪さ
- 動悸、顔がほてる感じ
- 発疹などのアレルギー症状
が報告されています。これらが強く出たときは、服用をやめて医師に相談してくださいね。 [oai_citation:8‡KEGG](https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00052665&utm_source=chatgpt.com)
- 息苦しさ・ぜいぜい・胸の締め付け
- 全身のじんましん・かゆみ・顔や唇の腫れ
- 激しいめまい、意識がぼんやりする
こうした症状が急に出た場合は、アレルギー反応や重い副作用の可能性があります。すぐに服用を中止し、医療機関を受診してください。
市販薬・他の咳止めとの飲み合わせ
家にある市販の風邪薬や咳止めと一緒に飲んでもいいですか?
注意が必要です。市販の風邪薬や咳止めにも、同じように咳を抑える成分が入っていることがあります。
その場合、効きすぎて咳が出にくくなり、たんがたまるおそれもあるので、自己判断では併用しない方が安心です。
たん切りのお薬(ムコダインとか)とは一緒でも大丈夫ですか?
はい、たんを出しやすくする薬(去痰薬)は、アストミンと併用されることが多い組み合わせです。
処方の内容どおりであれば心配はいりませんが、別の病院で出た薬を重ねている場合などは、必ず薬剤師に相談してくださいね。
妊娠・授乳中での注意点
妊娠中なんですが、アストミンを飲んでも大丈夫でしょうか?お腹の赤ちゃんへの影響が心配で…。
添付文書上は、「妊婦さんには、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使う」とされています。 [oai_citation:10‡KEGG](https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00052665&utm_source=chatgpt.com)
「絶対にダメ」というわけではありませんが、自己判断で飲むのはNGで、医師が必要性を考えて処方します。
授乳中の場合はどうですか?母乳に影響はありますか?
授乳中についても、治療の必要性と母乳育児のメリットを考えて、授乳を続けるかどうかを検討することになっています。 [oai_citation:11‡KEGG](https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00052665&utm_source=chatgpt.com)
実際の現場では、短期間・必要最低限の量で使うことが多いですね。
- 妊娠中・授乳中であることを、必ず医師・薬剤師に伝える
- 「とりあえず手元に残っていたアストミンを飲む」は避ける
- 処方された場合は、指示どおりの量・期間を守って短期間で済ませる
- 不安な症状(強い眠気・赤ちゃんの様子の変化など)があればすぐ相談
よくある質問Q&Aまとめ
必ず医師の処方どおりの量を守り、「体重が増えたから」と自己判断で増やさないようにしましょう。
ただし、途中でやめてまた咳が悪化したときは、残っている薬を勝手に再開するよりも、一度医師に相談して原因を確認してもらうのがおすすめです。
しかし「1日○回」と決まっている場合は、勝手に回数を減らすと十分な効果が出ないこともあるので、気になる場合は処方医に相談しましょう。
その場合、効きすぎてたんが出にくくなることもあるため、自己判断での併用は避けるのが安全です。どうしても市販薬を足したいときは、事前に薬剤師にご相談ください。
そのため、一緒に飲むと眠気・ふらつきが強く出る可能性があるので、服用中はなるべく飲酒を控えることをおすすめします。
糖尿病の方は、主治医・薬剤師に必ず伝えた上で使用し、必要に応じて錠剤など他の剤形への変更や、血糖コントロールの確認を行ってもらいましょう。
添付文書上は慎重投与とされていますが、少量を短期間飲んだからといって、すぐに何か起こるとは限りません。一人で不安を抱え込まず、医師に正直に話して判断してもらいましょう。 [oai_citation:15‡KEGG](https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00052665&utm_source=chatgpt.com)
医師が必要と判断して処方した量・期間であれば、授乳を続けることが多いですが、不安があれば「授乳との兼ね合いを心配している」ことを遠慮なく伝えてくださいね。
「咳が長く続く」「ゼーゼー・ヒューヒューする」「血が混じる」「胸の痛み・息苦しさがある」といった場合は、自己判断で薬を続けず、早めに医療機関を受診しましょう。