インフルエンザ

インフルエンザ予防にサプリは効く?薬剤師がやさしく解説





インフルエンザ予防にサプリは効く?薬剤師がやさしく解説


インフルエンザ予防にサプリって本当に効くの?

インフルエンザの予防になるサプリメントとかある?

患者
インフルエンザの季節になると不安で…
サプリで予防とかできたらいいなって思うんですけど、そういうのってありますか?

薬剤師
心配になりますよね。
結論から言うと、「これを飲めばインフルエンザにならない」というサプリは今のところありません。
ただ、免疫を整えるサポートとして役立つかもしれない栄養素はいくつかあります。一緒に整理してみましょう。

いちばん大事なのはワクチンと基本の予防

まず大前提
インフルエンザ予防の“主役”は

  • インフルエンザワクチン接種
  • 手洗い・アルコール消毒
  • マスク・咳エチケット
  • 十分な睡眠・バランスのよい食事

などの「基本の感染対策」です。
サプリはあくまで「補助・おまけ」と考えてくださいね。

インフルエンザの予防をサポートするかもしれない栄養素

患者
じゃあ、少しでもマシになるなら飲んでみたいです。
どんなサプリがよく話題になりますか?

薬剤師
「風邪・インフルエンザの予防」などでよく話題になるのは、主にこのあたりです。

① ビタミンD

ビタミンDは、骨の健康だけでなく免疫の働きにも関わるビタミンです。
日光に当たる時間が少ない人・高齢の方などは不足しやすいと言われています。

  • 一部の研究で「上気道感染(風邪など)のリスクを下げる可能性」が示されています。
  • ただし、「インフルエンザを確実に防げる」とまでは言えません。

食事では魚(鮭・さんま・いわしなど)やきのこ類に多く含まれます。
血液検査で不足が指摘されている人や日光にほとんど当たらない人は、サプリでの補給が選択肢になることもあります。

② ビタミンC

ビタミンCは抗酸化作用があり、体のストレス対策・免疫のサポートに関わります。

  • 「風邪のなりにくさ」「風邪の期間を少し短くする」可能性を示す報告があります。
  • ただし、大量に飲めばインフルエンザを防げる、というものではありません。

果物・野菜からもしっかり摂れます。サプリを飲むなら、表示どおりの量を守るようにしましょう。

③ 亜鉛(ジンク)

亜鉛は味覚・皮膚・髪の健康だけでなく、免疫細胞の働きにも大切なミネラルです。

  • 亜鉛不足があると、感染症にかかりやすくなる可能性が指摘されています。
  • 風邪の初期に舐める「亜鉛トローチ」は、症状の期間を少し短くするかもしれないと言われています。

ただし、摂りすぎると胃腸障害・銅不足などを起こすおそれがあるので、自己判断の大量摂取はNGです。

④ 乳酸菌・ビフィズス菌など(プロバイオティクス)

腸には免疫細胞がたくさんいるため、腸内環境を整えることは全身の免疫サポートにつながると考えられています。

  • 一部の乳酸菌で「風邪をひく回数が少し減った」という報告もあります。
  • ただし、菌の種類や製品ごとに違いが大きく、「これなら絶対」というものはありません。

ヨーグルト・納豆・味噌などの発酵食品も、腸内環境を整えるのに役立ちます。

⑤ その他のサプリ(エキナセア・プロポリス・黒にんにくなど)

「免疫アップ」「風邪予防」として売られているサプリはほかにもありますが、

  • 効果を裏付けるデータが十分ではないもの
  • 製品ごとに成分や量がバラバラで比べにくいもの

も多いです。宣伝文句だけを信じず、『飲んでもいいけど、それだけに頼らない』スタンスが安心です。

こんな人はサプリを検討してもいいかも

サプリが「意味があるかもしれない」ケースとして、例えば次のような状況が考えられます。

  • 血液検査でビタミンD不足を指摘されている
  • かなり偏った食生活で、野菜・果物・魚が少ない
  • 高齢で食が細く、栄養バランスが不安
  • 胃腸の病気などで、栄養の吸収が落ちていると言われている

こういった場合は、医師や薬剤師に相談したうえでサプリを足すと安心です。

サプリを選ぶときのポイント

サプリ選びのチェックポイント

  1. 「インフルエンザを治す・予防する」と書いていないか
    → こういった明言は、過剰な表現のことが多いです。
  2. 成分と量がきちんと表示されているか
  3. 1日の目安量が極端に多すぎないか
  4. 複数のサプリで同じ成分を重ねていないか
注意が必要な人

  • 腎臓の病気がある人(ミネラル類の摂りすぎ注意)
  • ワーファリンなどの抗凝固薬を飲んでいる人(ビタミンK・一部のハーブなど注意)
  • 妊娠中・授乳中の方
  • 小さなお子さん(大人用サプリをそのまま飲ませない)

心配なときは、自己判断で始める前に必ず医師・薬剤師に相談してくださいね。

薬剤師からのまとめ

患者
なるほど…「サプリさえ飲めば安心!」ってわけじゃないんですね。

薬剤師
そうなんです。今日のポイントをまとめると…

・インフルエンザ予防の主役は「ワクチン+基本の感染対策」
・サプリは免疫を整える“お手伝い役”くらいに考える
・ビタミンD・ビタミンC・亜鉛・乳酸菌などは、足りない人には意味があるかもしれない
・持病やお薬との飲み合わせが心配なときは、必ず相談してから

「何を飲むか」よりも、「生活全体を整えること」がいちばんの予防になります。
気になるサプリがあれば、商品名を見ながら一緒にチェックすることもできますよ。

インフルエンザ予防サプリについてのよくある質問

サプリを飲んでいれば、ワクチンは受けなくてもいいですか?
いいえ、ワクチンの代わりにはなりません
サプリはあくまで栄養を補うもので、インフルエンザウイルスそのものをブロックする力はありません。
重症化を防ぐ意味でも、医師から接種を勧められている方はワクチンを優先してください。

いくつもサプリを組み合わせて飲んでも大丈夫?
同じ成分が重なって摂りすぎになることがあります。
例えば、マルチビタミン+ビタミンCサプリ+栄養ドリンク…など。
パッケージの「1日の摂取目安量」を確認し、心配なときは飲んでいるものを全部メモして薬剤師に見せてくださいね。

子どもにビタミンのサプリを飲ませてもいいですか?
子どもは体が小さいので、大人用サプリを半分にすればOKとは限りません
「子ども用」として販売されているものや、医師・薬剤師から勧められたものを使いましょう。
まずは食事・睡眠の見直しが優先です。

飲むタイミングはいつがいいですか?
多くのビタミン・ミネラルは「食後」に飲むと胃への負担が少なく、吸収もよいとされています。
ただし、製品ごとに「空腹時」「就寝前」など指定があることもあるので、パッケージの用法を優先してください。

今飲んでいる薬とサプリの飲み合わせが心配です。
お薬手帳と一緒に、飲んでいるサプリ・健康食品の名前もメモして薬局に持ってきてください。
成分を確認しながら、飲み合わせ・量・タイミングを一緒に整理しましょう。

※この記事は一般的な情報であり、診断・治療の代わりになるものではありません。
体調や持病、お薬によって適切な対策は変わります。気になる症状があるときは必ず医療機関を受診してください。


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