インフルエンザ

インフルエンザ時の葛根湯はOK?飲む前の注意点と使い方






インフルエンザの時に葛根湯、飲んでもいい?【薬剤師が会話でやさしく解説】


患者さん:インフルっぽいんですが…葛根湯、飲んでもいいですか?

薬剤師:結論は「初期の寒気タイプならOK」です。
具体的には、ゾクゾクする悪寒・汗が出ていない・首肩のこわばり・頭痛がそろう発熱初期に合いやすい漢方です。

ただ、インフルエンザが疑わしいなら、発症から48時間以内に受診で抗インフルエンザ薬の検討が大切。自己判断で長引かせず、目安にそって動きましょうね。

患者さん:じゃあ、熱が出始めに飲むのがいいんですね?

薬剤師:はい。「初期に短期集中」がコツです。汗がしっかり出て楽になってきたら、いったん様子見でOK。2〜3日で改善しない・悪化するなら受診しましょう。

葛根湯が合いやすいサイン
  • 発熱・悪寒が出たばかり(初期)
  • 汗がまだ出ていない/身体がこわばる
  • 首すじ〜肩のこり・頭痛がある
  • 体力は中等度以上(ぐったりしすぎていない)

主な生薬:葛根・麻黄・桂皮・芍薬・甘草・生姜・大棗(麻黄と甘草由来の注意点に留意)。

飲まない/事前に相談してほしい人
  • 重い高血圧・心疾患・甲状腺機能亢進・排尿障害がある(麻黄で悪化の恐れ)
  • むくみ・低カリウム・筋力低下がある/甘草や甘草含有薬を併用中(偽アルドステロン症に注意)
  • 妊娠・授乳中(自己判断は避け、主治医と相談)
  • 他の麻黄含有漢方エフェドリン類、一部の相互作用薬を使っている

動悸・手のふるえ・不眠・発汗過多などが出たら中止して相談を。

抗インフルエンザ薬との併用は?

タミフル®(オセルタミビル)、リレンザ®、イナビル®、ゾフルーザ®などと併用自体は一般に可能です。
ただし総合感冒薬との重複(麻黄・甘草など)に注意。同じ成分が重なると副作用リスクが上がります。

受診・検査のタイミングの目安
  • 検査:発症から12時間後〜48時間以内が目安(早すぎると陰性になることあり)
  • 治療:抗インフルエンザ薬は48時間以内の開始で効果が出やすい
すぐ受診してほしいサイン
  • ぐったり/呼吸がつらい/水分がとれない・尿が少ない
  • 高熱が続く(例:38.5℃以上が長引く)
  • 乳幼児・妊婦・高齢者・基礎疾患(心肺・腎・糖尿病・免疫不全など)がある

子どもの解熱薬はとくに注意

インフルエンザ時の小児では、一部のNSAIDsで脳炎・脳症との関連が指摘されています。
第一選択はアセトアミノフェン(年齢・体重に合わせた用量で)。自己判断で複数の解熱薬を重ねないようにしましょう。

上手な使い方のコツ(まとめ)
  • 初期に早め:寒気・こわばりを感じたら早めに服用。
  • 発汗したら様子見:汗が出て楽になればいったん中止+水分補給。
  • 2〜3日で改善なし/悪化:自己判断を続けず受診へ。
  • 重複チェック:総合感冒薬や他の麻黄・甘草入り漢方と重ねない。

よくある質問
Q. タミフル(オセルタミビル)と一緒に飲んでいい?
A. はい、併用は一般に可能です。ただし総合感冒薬との成分重複は避けてください。
Q. ゾフルーザ/イナビル/リレンザとも併用できますか?
A. 併用自体は可能と考えられます。抗ウイルス薬は発症早期の開始が鍵です。
Q. 妊娠中・授乳中でも飲めますか?
A. 有益性とリスクを主治医と相談のうえで判断します。自己判断での服用は避けましょう。
Q. 市販の風邪薬と一緒に飲んでいい?
A. 麻黄・甘草の重複に注意。基本的には同時併用を避け、購入前に成分欄を確認しましょう。
Q. どれくらいの期間まで飲んでいい?
A. 初期に短期間使う薬です。2〜3日で改善しない・悪化する場合は中止して受診してください。
Q. 具体的な飲み方や量は?
A. 製品ごとに用法・用量が異なります。添付の用法を守り、迷ったら薬剤師にご相談ください。

※ 本記事は一般向け情報です。症状・持病・併用薬により適切な対応は変わります。心配な時は医療機関や薬剤師へご相談ください。


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