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シルニジピンからテルミサルタンへ変更になる理由と効果の違い【薬剤師解説】






なぜシルニジピンからテルミサルタンへ?患者さんと薬剤師のやさしい会話


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なぜシルニジピンからテルミサルタンへ?

— 検査結果をふまえた「より合うお薬」への切り替えを、会話でやさしく解説

高血圧
腎臓の保護
副作用との付き合い方

要点サマリー

  • テルミサルタンは腎臓・心臓の保護も期待できるARB(血管ホルモンをブロック)
  • 尿タンパクやeGFRの変化、むくみ、血圧の目標未達などの検査・症状の変化で切り替えることがある
  • 切替後はカリウム・腎機能の定期チェックが大切(血液検査)
  • ふらつき・強いだるさ・息切れなど異変があれば早めに相談

患者さんとの会話でわかる「切り替えの理由」

👩‍🦳 患者さん ご相談

先生に、血圧の薬がシルニジピンからテルミサルタンに変わったって言われたんです。どうしてなんでしょう?

💊 薬剤師 ご説明

大きくは「お薬のタイプ」と「期待できる守りの効果」が変わりました。
シルニジピンは血管を広げるタイプ(カルシウム拮抗薬)。一方、テルミサルタンは血管を縮めるホルモン(アンジオテンシンⅡ)をブロックするタイプ(ARB)です。

👩‍🦳 患者さん

前の薬も血圧は下がってましたけど…他に違いありますか?

💊 薬剤師

はい。テルミサルタンは腎臓や心臓を守る効果が期待できます。もし検査で尿タンパクが出ていたり、腎機能(eGFR)が下がり気味だと、腎臓の負担を減らす目的で切り替えることがあります。

👩‍🦳 患者さん

実は足のむくみが少しあって…。それも関係あります?

💊 薬剤師

あります。カルシウム拮抗薬は人によって足のむくみが出やすいことがあります。むくみを減らしたい時に、ARBへ切り替える選択が取られることがあるんです。

👩‍🦳 患者さん

腎臓を守るって、具体的には?

💊 薬剤師

腎臓の「ろ過装置」にかかる圧を下げて、尿タンパクを減らす・進行を遅らせることが期待できます。心臓に対しては、心臓の負担や形の悪化(リモデリング)を抑える方向に働きます。

👩‍🦳 患者さん

いいことが多そうですが、注意することは?

💊 薬剤師

テルミサルタンはカリウムが上がりやすいことがあります。合わせて腎機能の数値も見ます。なので、切替後は定期的な血液検査が大切です。
もしふらつき・極端なだるさ・息切れ・動悸などが出たら早めにご連絡ください。

👩‍🦳 患者さん

飲み方で気をつけることはありますか?

💊 薬剤師

基本は毎日同じ時間に1回。飲み忘れに気づいたら、次の服用が近くなければ気づいた時点で1回分、近いなら忘れた分は飛ばしてください。
塩分・水分のとり過ぎ、サプリ(カリウム・漢方の甘草多め製剤など)との併用も念のためご相談ください。

👩‍🦳 患者さん

安心しました。今後も検査結果を見ながらで良いんですね。

💊 薬剤師

その通りです。血圧の日内変動や体調を一緒に見ながら、「効き目」と「守り」を両立していきましょう。

シルニジピンとテルミサルタンの違い(さくっと比較)

項目 シルニジピン(Ca拮抗薬) テルミサルタン(ARB)
主な働き 血管を広げる 血管を縮めるホルモンをブロック
得意分野 強力な降圧、脳・腎血流の維持 降圧+腎臓・心臓の保護、尿タンパク減少
よくある副作用 足のむくみ、ほてり カリウム上昇、腎機能変動(検査で管理)
切替の主な理由 尿タンパク・eGFRの変化、むくみ、目標血圧未達、心血管リスク配慮

※ 実際の選択は年齢、既往歴、併用薬、検査値、生活習慣など総合的な要素で決まります。

切替後にチェックしておきたいこと

  • 家庭血圧(朝・夜)を記録(上腕カフ推奨/姿勢を揃える)
  • むくみの変化(減ったか・左右差はないか
  • だるさ・ふらつき・動悸・息切れなど体感の変化
  • 血液検査でカリウム腎機能(eGFR、Cr)の確認
  • サプリや市販薬の追加は事前相談(カリウム補給、NSAIDsの使い過ぎなど注意)
受診の目安:収縮期が180mmHg以上や拡張期110mmHg以上が続く/めまいで立てない/息苦しさ・胸痛/顔や舌の強いむくみなどがあれば、直ちに医療機関へご相談ください。

よくある質問

Q. 効き始めはいつ頃?

初回から血圧は下がり始めますが、数日〜2週間で安定してきます。家庭血圧を記録して、次回診察に持参しましょう。

Q. 併用している薬は大丈夫?

利尿薬、NSAIDs(痛み止めの一部)、カリウムを上げやすい薬やサプリは注意が必要です。お薬手帳を必ず提示してください。

Q. むくみは良くなりますか?

カルシウム拮抗薬由来のむくみは、ARBへ切替えると軽減することが期待できます。変化をメモして次回お知らせください。

Q. 食事で気をつけることは?

急な減塩や水分制限は不要ですが、塩分は控えめ野菜や果物は量とバランスに注意(カリウム過多にならないよう、検査値と相談)を心がけましょう。

このページは一般的な情報提供です。実際の診療方針は担当医の指示に従ってください。