ゾフルーザQ&A|よくある疑問を薬剤師が解説
「いつ飲む?何と一緒に避ける?子どもや妊娠・授乳中は?」——はじめてでもわかるよう、会話形式でやさしくまとめました。
目次
まずはここから:ゾフルーザってどんな薬?
ゾフルーザ(一般名:バロキサビル マルボキシル)はインフルエンザA/Bに効く抗ウイルス薬。1回だけ内服すれば有効成分が長く働くのが特長です。目安は発症から48時間以内に開始。
吸入が苦手/内服を続けるのが不安な方にも使いやすいのがポイント。
乳製品やカルシウム・鉄・マグネシウム等を含む製品と同時は避ける(吸収低下の恐れ)。時間をずらせばOK。
薬剤師と患者さんの会話で学ぶ
👤
患者さん:ゾフルーザって本当に1回でいいんですか?
💊
薬剤師:はい。体重に合わせた単回内服です。できれば発症後48時間以内に飲み始めましょう。
👤
患者さん:牛乳やヨーグルトと一緒でも大丈夫?
💊
薬剤師:同時は避けましょう。乳製品やCa/Fe/Mgを含むサプリ・制酸薬は吸収を下げる可能性があります。前後で時間をずらせばOKです。
👤
患者さん:子どもにも使えますか?味は?
💊
薬剤師:使えます。年齢・体重で用量が決まるので、体重を正確に。錠剤が難しければ顆粒の選択もあります。
👤
患者さん:飲んですぐ吐いたらどうする?
💊
薬剤師:ゾフルーザは1回きりなので、早めに処方医または薬局へ連絡してください。再投与は医師判断です。
👤
患者さん:いつから学校・仕事に戻れますか?
💊
薬剤師:学校は一般に「発症後5日、かつ解熱後2日(幼児は3日)」が目安。大人は法的基準はありませんが同様の基準が推奨されます。職場規定も確認を。
飲み方(体重・年齢で1回量が決まります)
治療(インフルエンザA/B)|できるだけ早く、48時間以内が目安
| 年齢・体重 | 用量(単回) | 剤形の例 |
|---|---|---|
| 成人/12歳以上・80kg未満 | 40mg | 20mg錠×2 など |
| 成人/12歳以上・80kg以上 | 80mg | 20mg錠×4 など |
| 12歳未満・40kg以上 | 40mg | 20mg錠×2 など |
| 12歳未満・20〜<40kg | 20mg | 20mg錠×1 など |
| 12歳未満・10〜<20kg | 10mg | 適切な剤形を薬剤師が選択 |
| 12歳未満・<10kg | 1 mg/kg | 顆粒で体重に合わせて |
予防(家庭内などでの曝露後)
※重症化リスクが高い同居家族等を主な対象に、濃厚接触後48時間以内で医師が必要と判断した場合に検討されます。
| 年齢・体重 | 用量(単回) |
|---|---|
| 成人/12歳以上・80kg未満 | 40mg |
| 成人/12歳以上・80kg以上 | 80mg |
| 12歳未満・40kg以上 | 40mg |
| 12歳未満・20〜<40kg | 20mg |
| 12歳未満・<20kg | 予防量の設定なし |
剤形の選択や細かな体重境界は処方医・薬剤師の指示に従ってください。
飲み合わせで注意するもの
- 乳製品・カルシウム強化飲料(牛乳・ヨーグルト・チーズなど)
- 多価陽イオンを含む製品:カルシウム/鉄/マグネシウム/亜鉛などのサプリ、一部の制酸薬(Al/Mg含有)
同時摂取で吸収が下がる可能性があります。同時は避け、前後の時間をずらすのがコツ。
副作用と安全のポイント
比較的多い: 下痢、吐き気、頭痛、鼻・喉の違和感など(多くは軽度・一過性)。
異常行動の注意: 抗インフルエンザ薬の有無にかかわらず、発熱後2日以内に小児・未成年で異常行動が報告されています。目を離さない、転落防止などの見守りを。
重い症状: アレルギー症状(発疹、息苦しさ、顔・喉の腫れ)、強い腹痛/嘔吐、出血傾向、意識がもうろう——すぐ受診してください。
妊娠・授乳中の注意点
- 妊娠中:ヒトでの十分なデータが限られます。有益性が危険性を上回る場合に使用(医師判断)。発熱自体も母体・胎児に負担となるため早めに相談を。
- 授乳中:乳汁移行データは限定的。授乳継続or一時中止を、症状の重さや発熱日数に応じて個別検討します。
妊娠週数・授乳頻度・既往歴をお伝えいただくと安全な選択に役立ちます。
よくある質問(Q&A:見やすく厳選)
Q. どれくらいで効き始めますか?
個人差はありますが、1回の内服で有効成分が長く働く設計です。解熱やだるさの改善は通常1〜2日で実感が出ます。
Q. 食前・食後の指定はありますか?
食事の有無は問いません。ただし乳製品やCa/Fe/Mgを含む製品・制酸薬と同時は避けるのが安全です。
Q. 予防目的でもらえますか?
すべての方には推奨されません。重症化リスクが高い同居家族等を主対象に、濃厚接触後48時間以内で医師が必要と判断した場合に検討されます。
Q. 学校や仕事に戻る目安は?
学校は発症後5日経過かつ解熱後2日(幼児は3日)が一般的な目安。大人は法的基準はないため、体調と職場規定を踏まえて判断します。
Q. 他の風邪薬・解熱薬と一緒に飲めますか?
総合感冒薬は成分が重なることがあります。処方内容・OTCを薬剤師に見せて相談してください。アセトアミノフェンなどの解熱鎮痛薬は用量・間隔を守れば併用されることがあります。
Q. 抗凝固薬(ワルファリン等)を飲んでいます。
併用で検査値が変動する可能性が報告されています。主治医に必ず連絡し、必要に応じて採血などで確認します。
Q. 違う型のインフルでも効きますか?
ゾフルーザはインフルエンザA/Bが適応です。流行株の状況により他薬が選ばれることもあります(医師判断)。
Q. うつしたくない…どう予防すれば?
マスク・手洗い・換気・共有物の消毒が基本。解熱後もしばらくは咳エチケットを続け、家庭内でもタオルや食器の共用は避けましょう。
受診の目安
- 息苦しさ、ぐったりして水分が取れない、けいれん、意識がもうろう
- 高熱が続く(目安:3日以上)、急な再高熱、胸の痛み/強い咳
- 乳幼児・高齢者・妊娠中・基礎疾患があり症状が強い
本ページは患者さん向け一般情報です。最終的な使用可否・用量は必ず医師の処方に従ってください。気になる点はお気軽にご相談ください。