ダイアモックス(アセタゾラミド)とビタミンCサプリは一緒に飲んでも大丈夫? 患者さん向け
注意書きの理由・何がNGで何がOKか・具体的な目安量まで、やさしく解説します。
患者さんとのお話
患者さん:ダイアモックスを飲んでいます。ビタミンCサプリの注意書きに「一緒に摂るのは良くない」とあり不安です…本当でしょうか?
薬剤師:ご心配になりますよね😊 ダイアモックス(アセタゾラミド)は炭酸脱水酵素を抑える薬で、体内の酸塩基バランスに働き、尿をややアルカリ性寄りにして眼圧や脳圧を下げたり、軽い利尿をもたらします。
患者さん:それがビタミンCとどう関係しますか?
薬剤師:ビタミンC(アスコルビン酸)を高用量で続けて摂ると、尿を酸性側に傾けることがあります。するとダイアモックスがもたらす尿アルカリ化の作用と反対方向になるため、薬理効果(特に利尿面)が理論上弱まる可能性があるんです。
さらに、高用量のビタミンCは体内で一部がシュウ酸に代謝され、尿中シュウ酸が増える → カルシウムシュウ酸結石(尿路結石)リスクが上がることがあります。ダイアモックス使用中は体液のバランスが変わりやすいので、合わせて注意が必要になります。
患者さん:じゃあ、ビタミンCは絶対にやめるべき?
薬剤師:いいえ、“絶対にダメ”ではありません。 食事からのビタミンC(野菜・果物)程度なら問題ありません✨ 注意したいのは、サプリで1,000mgなどの高用量をまとめて摂るケースです。
もしサプリを使うなら、1日100〜200mg程度の少量にとどめるのがおすすめです(目安)。そして、主治医に一度相談しておくと安心です。
患者さん:食事は気にしなくてOKで、サプリの量に注意すればいいんですね?
薬剤師:はい、その通りです😊 さらに、水分をしっかり摂る(脱水を避ける)こと、尿の痛み・血尿・側腹部痛などの症状があれば早めに受診することも大切です。
ポイントを整理(要点まとめ)
- ダイアモックスは尿をアルカリ性寄りにして働く。
- ビタミンC高用量は尿を酸性化させやすく、理論上ダイアモックスの一部作用を弱める可能性がある。
- 高用量ビタミンCは尿中シュウ酸↑ → 結石リスク↑にもつながる。
- 食事のビタミンCはOK。 サプリは少量(目安100〜200mg/日)にとどめるのがおすすめ。
- 主治医へ相談+水分摂取を心がけ、異変があれば早めに受診。
やってOK / 注意したいこと
✅ やってOK
- 野菜・果物など食事からのビタミンC摂取
- サプリを使う場合は少量(100〜200mg/日)で様子を見る
- こまめな水分補給(脱水予防)
- 定期受診時にサプリ使用を伝える
⚠️ 注意したいこと
- 高用量(例:1,000mg)を一度に摂るビタミンCサプリの継続
- 自己判断での増量・長期連用
- 尿の痛み・血尿・背部/側腹部痛など結石を疑う症状の見逃し
よくある質問(FAQ)
- Q. タイミングをずらせば大丈夫?
- A. タイミングをずらしても、高用量の継続摂取では尿の性質やシュウ酸の影響が残りやすいです。基本は量の見直し(少量化)と主治医への相談を優先してください。
- Q. レモン水や果汁は?
- A. 通常の飲食範囲なら問題ありません。過度な“濃縮サプリ的”摂り方を避けるのが安心です。
- Q. ほかの酸性化サプリ(クエン酸など)は?
- A. 個別に作用が異なります。併用中の薬全体も踏まえて評価が必要なので、薬剤師・医師に相談してください。