テルミサルタンとは?
血圧を下げる仕組み・副作用・飲み方を薬剤師がやさしく解説
目次
🩺 薬局での会話(基本をサクッと)
患者さん
「テルミサルタンを処方されたんだけど、どんな薬?」
薬剤師
血圧を上げるホルモンアンジオテンシンⅡの受容体をブロックするARBという種類の降圧薬です。血管をゆるめ、血圧を下げます。
患者さん
「いつから効きはじめるの?」
薬剤師
飲んで数時間で少しずつ下がり始め、1〜2週間かけて安定してきます。効果を見るためにも毎日続けましょう。
患者さん
「飲み方は?」
薬剤師
通常1日1回、食事に関係なく同じ時間に。用量は医師の指示に従って(目安は20〜80mg/日)。
患者さん
「飲み忘れたら?」
薬剤師
気づいた時点でその日のうちに1回分。次が近い時は忘れた分はスキップ。2回分をまとめてはNGです。
患者さん
「副作用は?」
薬剤師
めまい・立ちくらみ(下がりすぎ)、腎機能の変化、高カリウム血症が代表的。定期的に採血(腎機能・カリウム)を行います。
患者さん
「一緒に飲むと注意の薬ある?」
薬剤師
- カリウム製剤・サプリ、カリウム保持性利尿薬(スピロノラクトン等)→ 高カリウムに注意
- NSAIDs(ロキソニン等)を連用 → 腎機能悪化・効果減弱の恐れ
- リチウム → 濃度上昇の恐れ
- ACE阻害薬との併用は原則避けます(腎・カリウムのリスク増)
アルコールはふらつきやすくなるので控えめが安全です。
患者さん
「妊娠・授乳は大丈夫?」
薬剤師
妊娠中は使用できません(禁忌)。妊娠の可能性がある場合は必ず医師に相談を。授乳中は原則他薬に切替が検討されます。
🔬 仕組みと特徴(サクッと要点)
項目 | ポイント |
---|---|
分類 | ARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬) |
主な効果 | 血管を広げて血圧を下げる/腎臓を守る効果も期待 |
効き始め | 数時間で徐々に、安定は1〜2週間 |
用法 | 1日1回(食事と無関係)を同じ時間に |
よくある併用 | カルシウム拮抗薬、利尿薬との併用でより下がりやすく |
配合剤 | テルミサルタン+アムロジピン、テルミサルタン+ヒドロクロロチアジド 等 |
🛡️ 安全に使うコツ
- 開始・増量から1〜2週間は自宅血圧を朝晩で記録。
- 採血(腎機能・カリウム)は開始〜2週間前後とその後も定期。
- 発熱・嘔吐・下痢など強い脱水時は一時休薬が必要なことがあります(必ず医師or薬剤師に相談)。
- サプリ(カリウム入り、重曹系など)や市販NSAIDsの連用は自己判断でしない。
- 急にやめない。中止・変更は必ず医師へ。
⚠️ 副作用(気づきのサイン)
頻度・種類 | 症状の例 | 受診目安 |
---|---|---|
下がりすぎ | 立ちくらみ・ふらつき・だるさ | 強い/持続する→受診 |
腎機能の変化 | むくみ・尿の減少・だるい | 気になる変化→受診・採血 |
高カリウム血症 | 筋力低下・脈の乱れ・しびれ | 症状があれば至急相談 |
まれな重いもの | 顔や喉の腫れ、息苦しさ | 救急(アレルギー症状) |
🏃♂️ 生活でできる血圧ケア
- 塩分は1日(目安)6g未満を意識。
- 体重管理・有酸素運動(目安:早歩き30分以上/日)。
- 飲酒は控えめ、喫煙は禁煙へ。
- 朝起きて排尿後・朝食前に、座位で1〜2分落ち着いてから血圧測定。
💡 よくある質問(FAQ)
Q. 一生飲み続けますか?
高血圧は基本的に長期治療。生活改善や体重減で下がれば減量・中止を医師と相談できます。
Q. 食後と食前、どちらが効きますか?
吸収は食事の影響を受けにくい薬です。「毎日同じ時間」を優先してください。
Q. 値段は?ジェネリックありますか?
ジェネリック(テルミサルタン錠◯mg)が多数あり、自己負担は抑えやすいです(保険・薬価で変動)。
Q. 風邪で解熱鎮痛薬を飲みたい時は?
短期の頓用は医師・薬剤師に相談を。NSAIDsの連用は腎機能に影響し得るため注意。アセトアミノフェンが選択肢になることがあります。
Q. 他のARBやカルシウム拮抗薬と比べてどう?
個人差があります。血圧の下がり具合・副作用・腎機能などを見て最適な組み合わせを医師が選びます。
Q. 旅行や仕事で飲み忘れが多い…対策は?
スマホのアラーム、1日1マスのピルケース、就寝前固定などルーティン化が有効です。
🚑 こんな時は相談・受診
- 立ちくらみが強い/失神しそう
- 息切れ・むくみ・尿が極端に少ない
- 脈が乱れる、筋力低下、しびれ(高カリウムの疑い)
- 妊娠が判明/妊娠希望
- 発熱・嘔吐・下痢など強い脱水が続く
📝 まとめ(超要点)
- テルミサルタンはARB。1日1回、食事に関係なく同じ時間に。
- 効きは数時間で始まり、1〜2週間で安定。
- 採血で腎機能・カリウムを定期チェック。
- NSAIDs連用・カリウム製剤は要注意。妊娠は禁忌。
- 生活改善+継続で血圧コントロールを。
※本記事は一般的な情報です。自己判断で増減・中止せず、必ず処方医・薬剤師にご相談ください。