ドライアイに効くのはどっち?ジクアスとヒアレインの違いを薬剤師が解説
ドライアイでよく処方されるヒアレイン(ヒアルロン酸Na)とジクアス(ジクアホソルNa)。
「どっちが効くの?」に、薬剤師がタイプ別の使い分けから点眼回数・併用・しみる対策まで、患者さんとの会話形式でやさしくまとめました。
👤 患者さん
ヒアレインとジクアス、どっちが効きますか?
👩⚕️ 薬剤師
乾きが軽めならヒアレインの保湿で十分なことが多いです。
症状が強い、または「目を開けているとすぐ乾く」「瞬きが痛い」ならジクアスで涙そのものとムチンを増やして品質を底上げすると実感しやすいですよ。
👤 患者さん
併用はできますか?
👩⚕️ 薬剤師
はい、よくあります。ヒアレインで保湿しつつ、ジクアスで涙の分泌と質を高める方法です。
使うときは5分以上間隔をあけましょう。
ジクアスとヒアレインの違い(比較表)
項目 | ヒアレイン(ヒアルロン酸ナトリウム) | ジクアス(ジクアホソルナトリウム) |
---|---|---|
主な働き | 角膜表面を保湿・保護。涙の保持 | 結膜・角膜での分泌を促進し水分+ムチンを増やす(涙の質改善) |
向いている症状 | 軽度〜中等度の乾燥、パソコン・スマホ後の乾き | 中等度〜重度、瞬目時痛、糸引くような粘液減少、角膜上皮障害が目立つとき |
濃度・剤形の例 | 0.1%/0.3%、一回使い切りタイプあり | 3%(通常製剤) |
用法の目安 | 1回1滴、1日3〜6回 | 1回1滴、1日6回(医師指示に従う) |
使用感 | しみにくくマイルド | 点眼直後にしみる・苦味を感じることあり(数分で軽快) |
コンタクト | ソフトは基本外して点眼→保存剤なしの単回投与は許可されることも | 保存剤(BAK)あり:ソフトは外して10〜15分あけて装用 |
※ 実際の回数・使い方は処方内容や医師の指示に従ってください。
どっちが合う?タイプ別の選び方
- 乾きは軽い/作業のときだけ悪化 → ヒアレインから。
- 症状が強い・治療をしっかりしたい → ジクアスまたは併用。
- 「すぐ乾いて痛い」「点状角膜上皮障害を指摘」 → ジクアス優先で質改善。
- 点眼が苦手で回数を減らしたい → 医師に濃度や剤形の相談を。
点眼のコツ・併用・順番
- 手洗いをして、下まぶたをそっと引き1滴だけ。
- まばたき最小で1分閉眼(押さえるなら目頭を軽く)。
- 別の目薬と併用は5〜10分以上あける。
- 軟膏タイプがある場合は点眼→最後に軟膏。
- ソフトコンタクトは原則外して点眼(装用は10〜15分後)。
しみる対策:冷蔵庫で軽く冷やしてから点す、まぶたや目の周りの傷・炎症が強い時は医師に相談を。
よくある質問
ジクアスはしみますか?続けて平気?
はい、点眼直後にしみる・苦味が出る方がいますが、多くは数分で軽くなります。強い痛みや充血が続く場合は受診しましょう。
2つを一緒に使っても良い?順番は?
併用OKです。順番はさらさら系(ヒアレイン)→作用の強い方(ジクアス)がおすすめ。5〜10分間隔をあけてください。
市販で代用できますか?
ヒアレインと同じ成分のヒアルロン酸点眼液(OTC)は購入可能です。ジクアスは処方薬のみです。自己判断で長期使用せず、症状が続く場合は眼科へ。
妊娠・授乳中でも使えますか?
点眼は全身移行が少ない薬ですが、念のため主治医へ相談し、必要最小限で使用してください。涙点圧迫(目頭を1分軽く押さえる)で体内移行を減らせます。
保管方法と使用期限は?
直射日光・高温を避け、開封後は清潔に。一回使い切りは開封後すぐ廃棄、瓶タイプは指示に従いましょう。
※ 本記事は一般的な情報です。治療は症状や検査結果、既往歴で変わります。気になる症状(視力低下、強い痛み、白目が真っ赤など)があれば、早めに眼科を受診してください。