リリカとタリージェの違いとは?
神経の痛み――いわゆる「神経障害性疼痛」に使われる代表的な薬が、リリカ(プレガバリン)とタリージェ(ミロガバリン)です。どちらも似た分類に属していますが、作用の強さ、副作用の出方、使い勝手に違いがあります。
本記事では、薬剤師の視点から、リリカとタリージェの違いをわかりやすく解説します。
基本情報の比較
項目 | リリカ(プレガバリン) | タリージェ(ミロガバリン) |
---|---|---|
分類 | ガバペンチノイド系 | ガバペンチノイド系(選択性高) |
適応症 | 神経障害性疼痛(糖尿病性、帯状疱疹後など) | 同上(2022年に適応追加) |
作用機序 | Caチャネルのα2δサブユニットに結合 | 同上。ただし選択性が高く、副作用軽減の設計 |
投与回数 | 1日2回 | 1日1回 |
副作用 | 眠気、めまい、ふらつき、体重増加 | 眠気・ふらつきはやや軽減傾向 |
用量調整 | 腎機能に応じて必要 | 同様に腎機能に応じて調整 |
特徴 | 神経障害性疼痛の治療薬として長い実績 | リリカの後継的存在、副作用や利便性を改善 |
薬剤師のひとこと:「リリカはよく効きますが、副作用で中止される方も多くいます。眠気やふらつきで困っている方には、1日1回で済むタリージェを検討することもあります。ただし、どちらもすぐに効果が出る薬ではないので、数日〜1週間ほどかけて様子を見る必要があります。」
リリカからタリージェへの切り替え例
実際の現場では、以下のようなケースで薬を変更することがあります。
- 眠気が強くてリリカを続けられない → タリージェに変更
- 服用回数を減らしたい → タリージェは1日1回
- 軽度の痛みで、副作用のリスクを最小限にしたい → タリージェの低用量から開始
注意点:
- どちらも腎機能に応じた調整が必要です。
- めまいや転倒リスクがある高齢者には慎重投与。
- 突然中止すると離脱症状が出ることもあるため、漸減が基本。
まとめ
リリカとタリージェは、どちらも「神経の痛み」に対して重要な薬です。
しっかり効かせたいならリリカ、利便性や副作用の少なさを重視するならタリージェという使い分けがされることが多いです。
自分に合った薬を見つけるためには、医師や薬剤師との相談が欠かせません。