子どもに睡眠薬はあるの?まず知っておきたいこと
薬剤師がやさしく解説(会話形式)+ よくある質問
子どもが夜なかなか寝つけません。子どもにも睡眠薬ってあるんですか?
まず大切なのは生活リズムを整えることです。朝の光を浴びる・日中体を動かす・寝る前は静かな時間を作るなどで改善することも多いですよ。
それでも寝られない時、薬を使うこともありますか?
はい。医師が必要と判断した場合、メラトベル(メラトニン)というお薬が使われることがあります。これは6〜15歳の神経発達症(ADHDやASDなど)に伴う入眠困難に対して承認されています。
メラトベルってすぐ効くんですか?
個人差はありますが、服用を続けることで徐々に入眠までの時間が短くなる方が多いです。医師のもとで、生活リズムの改善と併用することが大切ですね。
市販の睡眠改善薬(ドリエルとか)は使えますか?
いいえ。市販の睡眠改善薬は15歳未満は服用できません。安全性が確立されていないため、子どもには使用しないようにしてください。
ネットでメラトニンのサプリを見たことがありますが、あれを試してもいいですか?
日本ではメラトニンのサプリは販売されておらず、個人輸入品は品質や量のばらつきが大きいためおすすめできません。メラトベルのような医薬品を医師の指導のもとで使用するのが安全です。
ロゼレム(ラメルテオン)は子どもに使えますか?
ロゼレムは成人の不眠症に使う薬で、小児には安全性が確認されていません。そのため子どもへの使用はできません。
薬以外で、すぐにできる工夫はありますか?
生活習慣を整えることです。朝の光・日中の運動・夜の照明と温度の工夫・寝る前のスマホ制限など。2〜3週間続けても改善しない場合は小児科を受診しましょう。
お子さんと一緒に見直したい「睡眠チェック」
- 朝は7時までに起きて日光を浴びる
- 日中1時間以上体を動かす(公園・運動)
- 就寝1時間前にスマホやゲームをオフ
- お風呂→読書→消灯など一定の流れを作る
- 夜は暗く静かで涼しめの環境を保つ
病院で検討されるお薬の例
メラトベル(メラトニン):6〜15歳の神経発達症に伴う入眠困難で使用されます。医師が就寝前の量を決めて処方します。
⚠︎ 市販の睡眠改善薬(ドリエルなど)は15歳未満服用不可。大人の薬を分けて飲ませるのも危険です。
ロゼレム(ラメルテオン)は成人用で小児には適応がありません。
よくある質問
Q. どのくらい続いたら病院に行くべき?
生活リズムを整えて2〜3週間経っても改善がない場合や、いびき・無呼吸・日中の強い眠気がある場合は小児科を受診してください。
Q. メラトベルはどのくらいで効く?
数日〜数週間で入眠時間が短くなることが多いですが、個人差があります。医師の指示に従い、生活改善と併用することが大切です。
Q. メラトニンのサプリを個人輸入しても大丈夫?
おすすめしません。成分量のばらつきや品質の問題があるため、安全のため医療機関で相談しましょう。
Q. 抗ヒスタミン薬で眠くなるけど代用できますか?
眠気は副作用であり、睡眠改善を目的に使うのは不適切です。市販の睡眠改善薬も子どもには使えません。
まとめ
- 子どもにはまず生活リズムの改善が第一。
- 必要な場合は医師の判断でメラトベルが処方される。
- 市販の睡眠改善薬は15歳未満使用不可。
- 改善がない・いびきや無呼吸がある場合は早めに小児科へ。
※本記事は一般的な情報です。実際の診断・治療は必ず医師や薬剤師にご相談ください。