新コンタックかぜ総合DX vs プレコール|違い・選び方を薬剤師が比較
「熱・のど・鼻・せき」ぜんぶつらいとき、総合感冒薬の2大定番が
新コンタックかぜ総合DX(以下:コンタックDX)と
プレコール持続性カプセル(以下:プレコール)です。どちらも朝・夕の1日2回で使える“持続性カプセル”ですが、主役の痛み止め・せき止めの種類が大きく違います。
患者さん:どっちを選べば良いか迷います…。
薬剤師:ざっくり言うと、
・のどの強い痛み・発熱メインなら コンタックDX(イブプロフェン)。
・せきがつらくて眠れないなら プレコール(コデイン配合)が向きやすいです。
ただし眠気や持病、妊娠・授乳などで選び方が変わるので、このあと順番にチェックしましょう。
比較まとめ|ここが違う!
| 項目 | コンタックDX (新コンタックかぜ総合DX) |
プレコール (プレコール持続性カプセル) |
|---|---|---|
| 主な解熱鎮痛成分 | イブプロフェン(NSAIDs) | イソプロピルアンチピリン(ピリン系)+アセトアミノフェン |
| 主なせき成分 | デキストロメトルファン(非オピオイド) | ジヒドロコデイン(オピオイド系) |
| 鼻症状 | d-クロルフェニラミン+ヨウ化イソプロパミドで鼻水・鼻づまりに | クロルフェニラミン、カンゾウエキスで炎症をしずめる |
| 眠気の出やすさ | 出ることあり(抗ヒスタミン) ※コデインは不配合 |
眠気が出やすい(抗ヒスタミン+コデイン) |
| こんな人に向く | のどの痛み・発熱がつらい/痛みをしっかり抑えたい | せきが強い・夜間に辛い/「とにかく咳を止めたい」 |
| 用法・年齢 | 成人(15歳以上)2カプセルを1日2回(朝・夕)/15歳未満は× | 成人(15歳以上)2カプセルを1日2回(朝・夕)/15歳未満は× |
| 運転・機械操作 | 避ける(眠気の可能性) | 避ける(明確に禁止) |
どんな症状におすすめ?(目安)
- のどがズキズキ+熱が高め… コンタックDX:イブプロフェンで痛み・発熱に強い。
- 夜せき込んで眠れない… プレコール:コデインで“せき中枢”に効く。ただし眠気・便秘に注意。
- 鼻水ダラダラ・鼻づまり… どちらも抗ヒスタミン入り。コンタックDXは抗分泌薬(ヨウ化イソプロパミド)を併用。
- 日中の仕事・運転がある… どちらも眠気注意。特にプレコールは運転不可。予定に合わせて服用タイミングを調整。
飲み方(共通)
- 成人(15歳以上):2カプセルを1日2回(朝・夕食後なるべく30分以内)
- 15歳未満は服用しない
- 眠気や口渇が出ることがあります。飲酒や運転はNG、機械操作も避けましょう。
主な成分(1日量=4カプセル中)
コンタックDX
- イブプロフェン 400mg
- 無水カフェイン 75mg
- ヨウ化イソプロパミド 5mg
- d-クロルフェニラミンマレイン酸塩 3.5mg
- デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物 48mg
- dl-メチルエフェドリン塩酸塩 60mg
- ヘスペリジン 45mg
プレコール
- イソプロピルアンチピリン(ピリン系)300mg
- アセトアミノフェン 450mg
- クロルフェニラミンマレイン酸塩 7.5mg
- ジヒドロコデインリン酸塩 12mg
- dl-メチルエフェドリン塩酸塩 60mg
- カンゾウエキス末 118mg(原生薬換算983mg)
- 無水カフェイン 75mg
安全性のポイント(必ずチェック)
- 眠気:両者とも出る可能性あり。プレコールは運転・機械操作を避ける(特に厳守)。
- 胃が弱い:どちらも食後に。コンタックDXはイブプロフェン(NSAIDs)で胃もたれ感が出ることがあります。
- ピリンアレルギー:プレコールはピリン系(IPA)配合のため不可。この場合はコンタックDXを検討。
- ぜんそく歴・持病:過去に解熱鎮痛薬でぜんそくを起こしたことがある方、緑内障・前立腺肥大・高血圧などは、服用前に必ず相談を。
妊娠・授乳中の注意点
妊娠中:どちらも自己判断での服用は避けて、医師・薬剤師へ。特にコンタックDXはイブプロフェン(妊娠後期は避けるべき薬として知られます)、プレコールはピリン系/コデインを含むため、まず相談が安全です。
授乳中:プレコールは「服用しない」または「服用する場合は授乳を避ける」とされています(コデインのため)。コンタックDXも抗ヒスタミン等で赤ちゃんが眠くなる等の懸念があるため、服用前に必ず相談してください。
会話でわかる選び方
患者さん:のどが痛くて熱っぽいです。鼻水も少し。
薬剤師:痛みと熱が主役ならコンタックDXがおすすめ。イブプロフェンが痛み・発熱に強く、鼻症状にも成分が入っています。
患者さん:夜、せき込んで眠れません…。
薬剤師:眠れないほどのせき重視ならプレコール。コデインで中枢に効きます。ただし眠気が強く出やすいので、運転予定がない夜からの服用など、タイミングを工夫しましょう。
患者さん:仕事で運転があります。
薬剤師:プレコールは運転不可です。コンタックDXでも眠気はあり得るので、初回は夜に試すなど安全第一で。
患者さん:以前「ピリンで発疹」が出たことが…。
薬剤師:プレコールはピリン系なので避けましょう。選ぶならコンタックDX側を検討し、心配なら医師に相談を。
よくある質問(Q&A)
Q1. 眠くなりにくいのはどっち?
A. どちらも眠気の可能性はありますが、コデイン配合のプレコールは特に眠気が出やすいです。日中に重要な予定や運転がある日は避けてください。
Q2. 胃が弱いのですが…?
A. いずれも食後に。コンタックDX(イブプロフェン)は胃症状が出やすい方がいるため、胃の違和感が強い・続く場合は中止し相談を。
Q3. 熱だけ/のどだけのときも総合薬が良い?
A. 症状が単独なら、単剤(例:アセトアミノフェン単剤、のどスプレー等)の方が体への負担が少ないことがあります。
Q4. 併用注意は?
A. 他のかぜ薬・鎮痛薬・抗ヒスタミン薬・せき止めとの併用は避けてください。カフェイン含有飲料の摂り過ぎにも注意。
Q5. どれくらい飲み続けてOK?
A. 目安は5日以内。良くならない/悪化する/高熱が続くときは受診を。
Q6. 妊娠・授乳中の使い分けは?
A. どちらも自己判断での服用は避けるのが基本です。プレコールは授乳を避ける扱いです。必ず医師・薬剤師にご相談ください。
まとめ
- 痛み・熱が主役 → コンタックDX(コデインなし、痛みに強いイブプロフェン)
- せきが主役 → プレコール(コデインで中枢性に抑える・眠気には要注意)
- どちらも朝・夕の1日2回、15歳未満は不可。運転・飲酒を控えて、5日で改善しなければ受診を。
※本記事は一般向け解説です。持病・常用薬・妊娠授乳などがある方は必ず事前にご相談ください。