👩🦳 患者さん:「先生、この間友達が『甲状腺低下症の薬を飲みすぎると逆に亢進症になることがある』って言ってたんですけど、そんなことあるんですか?」
💊 薬剤師:「はい、実はあります。甲状腺低下症では、体の中の甲状腺ホルモンが足りないので『チラーヂン®』というホルモンのお薬で補いますよね。」
👩🦳:「はい、毎朝飲んでます。」
💊:「でもこのお薬、量が多すぎると体の中のホルモンが“多すぎ”になってしまって、甲状腺機能亢進症のような状態になることがあるんです。」
👩🦳:「えっ…低下症なのに逆に亢進症に?」
💊:「そうなんです。お薬は人工的にホルモンを足すので、必要量を超えると“過剰”になります。すると動悸がしたり、汗が増えたり、手が震えたり、体重が減ったりといった亢進症の症状が出ることがあります。」
👩🦳:「じゃあ、どうしてそうなっちゃうんですか?」
💊:「原因はいくつかありますよ。たとえば…
1. 薬の量がもともと多めだった
2. 体重や年齢の変化で必要量が減ったのに、そのままの量を続けた
3. 飲み合わせが変わって薬の吸収が良くなった(鉄剤や制酸剤をやめた時など)
4. 飲み間違いで倍量飲んでしまった などです。」
👩🦳:「なるほど…症状が出たらすぐ言ったほうがいいですね。」
💊:「そうですね。甲状腺ホルモンは**定期的な血液検査(TSH・FT4)**で量を調整することがとても大切です。特に高齢の方や心臓に持病がある方は、不整脈や心不全のリスクもありますから、自己判断で続けないようにしましょう。」
👩🦳:「わかりました。ちょっとでも変だなと思ったら相談します。」
💊:「それが一番です。お薬は“足りない”のも“多すぎる”のも良くないですから、ちょうどいいバランスで使っていきましょう。」