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五苓散はダイエットに効く?薬剤師が解説



五苓散はダイエットに効く?薬剤師が解説

五苓散はダイエットに効く?薬剤師が解説

最近、SNSや口コミで「五苓散(ごれいさん)がダイエットに効くらしい」と話題になっています。五苓散は本来、漢方薬として「むくみ」や「下痢」「頭痛」などの治療に使われる薬ですが、実際に体重が減ったという声も見られます。

この記事では、薬剤師の視点から五苓散の作用や、なぜ“ダイエットに効く”と言われるのか、その根拠や注意点を分かりやすく解説していきます。

五苓散とは?

五苓散は、水分代謝の異常を整える漢方薬です。構成生薬は以下の5つ:

  • 沢瀉(たくしゃ)
  • 猪苓(ちょれい)
  • 茯苓(ぶくりょう)
  • 蒼朮(そうじゅつ)
  • 桂皮(けいひ)

これらの生薬が協力し合って、体内にたまった余分な水分(いわゆる「水滞」)を排出する働きがあります。

なぜダイエットに効くと言われるのか?

五苓散は直接「脂肪を燃やす」薬ではありません。しかし、以下のような理由でダイエットとの関係が注目されています。

1. むくみの解消

体重増加の原因が「むくみ」である場合、五苓散によって体内の余分な水分が排出され、結果的に体重が減ることがあります。特に、生理前後や塩分過多の食事によるむくみに悩む女性にとっては、効果を実感しやすいケースも。

2. 胃腸の水分バランスを整える

水分がたまりやすく、食欲がわかない・胃が重いといった症状を抱えている人にとって、五苓散は胃腸機能を整える手助けとなります。これにより間食や暴食が減り、結果として摂取カロリーが抑えられることもあります。

3. 頭痛やめまいの軽減 → 活動性アップ

「気圧の変化で体調が崩れる」「頭が重くて運動できない」という人に、五苓散は効果を発揮することがあります。体調が安定することで運動の継続にもつながりやすく、間接的にダイエット効果があると感じることも。

注意すべきポイント

  • むくみによる体重減は一時的:脂肪を減らすわけではないので、食生活の見直しや運動が伴わなければ長期的な体重減少は難しいです。
  • 体質によっては合わない:水分が足りない「乾燥体質」の人に使用すると、のぼせ・頭痛・便秘などの副作用が出ることがあります。
  • 自己判断で長期使用しない:五苓散は“証(体質)”を見極めて使う漢方薬です。長期間使用する場合は、医師や薬剤師に相談しましょう。

薬剤師からのアドバイス

五苓散は「むくみによる体重増加」にアプローチする漢方薬であり、脂肪を直接燃やすものではありません。とはいえ、体内の水の流れを整え、体調を良くすることで生活の質が上がり、結果的にダイエットが進む方もいます。

「むくみが気になる」「体が重い」「気圧の変化で体調が悪くなる」といった悩みがある方には、一度試してみる価値はあるかもしれません。ただし、合わない体質の方もいるので、使用前には必ず薬剤師・漢方の専門家に相談しましょう。

五苓散は市販薬でも購入できますが、再発治療薬に分類されている製品もあるため、医師の診断歴がある方しか購入できないケースもあります。

まとめ

  • 五苓散は「水分代謝を整える」漢方薬
  • むくみタイプの体重増加に効果を感じる人が多い
  • 脂肪燃焼ではなく、体調改善による間接的なダイエット効果
  • 体質に合わない場合や、長期使用は注意
  • 市販薬でも再発治療薬として制限がある製品も

正しく使えば、五苓散はダイエットサポートの一助になります。無理な期待をせず、自分の体質や生活に合った取り入れ方をしていきましょう。