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HDLコレステロールが高いのは大丈夫?善玉でも注意すべきポイントを薬剤師が解説






HDLコレステロールが高いのは大丈夫?善玉でも注意すべきポイントを薬剤師が解説

HDL

HDLコレステロールが高いのは大丈夫?善玉でも注意すべきポイントを薬剤師が解説

「善玉だから高いほど良い」は半分正解。極端に高いときは理由を確認しましょう。LDLや中性脂肪とのバランスも解説します。


👩‍🦳
患者さん

健康診断で「HDLコレステロールが高い」と言われました。善玉だから高いほど良い、で大丈夫ですか?

🧑‍⚕️
薬剤師

HDLは血管の壁から余分なコレステロールを回収して肝臓へ運ぶ“お掃除役”。ある程度高いのは良いサインです。ただし「高ければ高いほど無条件に良い」わけではありません。

👩‍🦳
患者さん

じゃあ、どこから気をつければいいんでしょう?

🧑‍⚕️
薬剤師

HDLが60mg/dL以上だと心血管リスクは下がりやすいとされます。一方で、100mg/dLを超えるような“極端な高値”では、背景を確認した方が安心です。

  • 大量飲酒でHDLが異常に高くなることがある
  • 体質(CETP欠損など)で高く出る方がいる
  • 研究では「低すぎても高すぎても」リスクが上がる可能性(U字関係)が示唆

👩‍🦳
患者さん

HDLが高ければ安心だと思っていました。他に何を見ればいいですか?

🧑‍⚕️
薬剤師

HDLだけで判断しないのがコツです。次のセットで確認しましょう。

  1. LDL(悪玉):高いままだと動脈硬化リスクは下がりません。
  2. 中性脂肪:高いとHDLが低くなりがち。食事や飲酒の影響もチェック。
  3. 血圧・血糖・喫煙:総合的な心血管リスクを左右します。

👩‍🦳
患者さん

お酒はほとんど飲みません。運動は週3回ウォーキングしています。

🧑‍⚕️
薬剤師

素晴らしい習慣です!運動でHDLが上がるのは健康的なサイン。
まとめると、“60以上は良いが、100超なら背景を確認しよう”、そしてLDLや中性脂肪とのバランスが大切、ということですね。

HDLが高いときの要点(サクッと要約)

  • 基本 HDLは血管を守る。60mg/dL以上は有利。
  • 注意 100mg/dL超など極端に高い場合は飲酒・体質・薬剤等を確認。
  • LDLや中性脂肪、血圧・血糖との総合評価が重要。
  • 運動で上がるHDLはポジティブ。大酒はリスク増につながる。

数値の目安と見方

指標 目安 解釈
HDL ≥ 60 mg/dL 心血管リスクが下がりやすい 良い
HDL(極端に高い) ≳ 100 mg/dL 背景要因を確認(飲酒・体質など) 注意
LDL できるだけ低く LDLが高いとHDLが高くてもリスク低下は限定的
中性脂肪 < 150 mg/dL 目安 高いとHDLが下がりやすい。食・飲酒・運動で調整

※基準は施設や年齢で異なる場合があります。自身の検査票の基準範囲と照らし合わせてください。

セルフチェックリスト(受診・相談の目安)

  • HDLが100 mg/dL以上で、原因に心当たりがない
  • LDLが高い/家族に心筋梗塞・脳梗塞の既往がある
  • 大量飲酒の習慣がある、またはやめづらい
  • 甲状腺、肝機能、糖尿病などの既往がある
  • 検査結果の見方に不安がある(薬剤師・医師に相談)

よくある質問

Q. 善玉をもっと上げるには?

有酸素運動(速歩・サイクリングなど)を週150分程度、禁煙、適正体重の維持、野菜・魚・大豆・ナッツを取り入れた食事が推奨です。

Q. サプリだけで上がりますか?

サプリ単独で大きく改善するエビデンスは限定的。まずは運動・食事・禁煙が基本です。内服薬はLDL対策(スタチン等)が中心で、HDLのみを上げる治療は一般的ではありません。

Q. アルコールはHDLを上げるから飲んだ方が良い?

少量飲酒でHDLがわずかに上がることはありますが、推奨して飲むべき根拠はありません。多量飲酒は総合的リスクを上げます。

本記事は一般的な情報提供です。診断や治療は個別の状況で異なります。気になる症状や数値がある場合は、主治医へご相談ください。

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